少女語り手

そしてアドレーヌは眠る。
『第五幕 眠る女神は』〜そして未来に〜

02/20(火)15:42
語り手
タイトル:第五幕〜眠る女神は319〜
気分:次回更新は27日(火)予定です


 
「何か要望があるならどうぞ、ミレット嬢」
「あの…一度。父に、もう一度会って話を聞きたい。確かめたいことがあるの」

 まさかの言葉に首を傾げ、驚きに近い表情も見せる一同。
 アサでさえ驚きに口に含んでいた水を噴き出しそうになったほどだ。

「どうしてまた急に?」
「…思い出したことがあって、だから父から直接聞いて確かめたいの」

 その双眸はとても真っ直ぐで、覚悟に満ちたものであった。
 急にどういった心境の変化なのか。そもそも一体何を思いだしたのか。
 そこまでは話そうとしないものの、アサたちは彼女の決意に異論など唱えるはずもなく。賛同するべく頷いた。

「…実の親子なんだし、何か聞きたい事があるなら俺たちに遠慮することなく聞きに行くと良いよ」
「俺たちは別の方が良いのか?」
「ううん…皆、一緒に来て欲しいの」

 するとアサは「わかった」と頷いて答える。

「じゃあ皆でルーノ将軍に会いに行こう」

 と、話しを纏めてしまってからアサはタルクスの方を見やり、しまったといった表情を見せる。
 こうした場面で皆を取り仕切るのは格上の立場でなおかつ年長者であるタルクスの仕事だと思っていたからだ。
 しかし、タルクスは爽やかな笑みを浮かべながら言う。

「せっかくタメ口で仲良くやってこうってなってんだからさ。年功序列なんて気にしないで良いよ。まとめ役はアサくんがやったらいい」

 力強く頷き、タルクスは更に微笑む。
 アサは心の奥底で喜びを噛みしめながら、咳払いを一つ漏らし、改めて仕切り直す。

「ルーノ将軍の下へ会いに行こう!」
「うん」
「オッケー」
「ええ」

 先ほどよりも声を力ませ、僅かに声を大きくさせて告げるアサ。
 それに返答するミレットとタルクス、アドレーヌ。
 此処に来て初めて、ようやく一体感のようなものをアサは感じ、思わず笑みを綻ばせた。




  

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