るい栞愛

しあわせになれ

09/09(土)22:48
るい
タイトル:5-15 かみあわない理由(2)
気分:終わります

「感心してるところ悪いんだけど、もうすぐ終わりそうだから、るいの意見を聞いておきたい」
「ロールキャベツ男子について?」
「違う違う。もー、普段そんなことないのに、変なとこ天然だね、るいって」
苦笑いとため息を同時に吐き出して、彼女は困ったように眉を寄せる。
「その年上キラーのロールキャベツ男子を私に紹介してくれるから、一緒に遊園地まわろうっていうお誘いについて、でしょ」

るいが栞愛に言われたことを頭のなかで反芻しているあいだに、ボックスはゆるやかに下降を始めて、最初と同じ、がくん、という振動と共に停止した。
「一緒にまわる、なんて話になってんの?」
「静かだな、とは思ったけど、まさかそこまで聞いてなかったとは思わなかったよ」
から笑いの栞愛に、るいは素直に「ごめん」と謝る。
「ええと、どうしよっか?」
「……私は、るいがそうしたいなら、そうしてもいいよ」
音楽が止まったほんの僅かな空白のおかげで、小さな声でもはっきり聞こえた。
「それ、つまり俺が決めていいってこと?」

係員がボックスの扉をあけにくる。
栞愛が頷いた。
先にボックスを降りていたらしいふたりが、にぎやかな声をあげながら近づいてくる。

「いうらー」
るいは軽く片手をあげて応じて、そのままその手で栞愛の手をとった。
栞愛がこちらをみた気配があった。

「おねーさん、地上にいた男の子ふたりぐみ、見えました?右にいたのが、年上キラーなんだけど、」
「それさ、ロールキャベツ紹介してくれるってヤツ」
「ロールキャベツ男子」と小声で栞愛が言ったけれど、今度は聞こえなかったふりをする。
「せっかくだけど、俺寝取られ趣味ないから、カノジョに男紹介されるのはちょっと」
ふたりはきょとんとしただけだったから、「え?」と最初に聞き返したのは栞愛だ。
でもるいは今回も聞こえないふりをした。
「そんなわけだから、みんなでまわるのはまた今度ってことで」

じゃあね、と一方的に告げて栞愛の手をひっぱる。
背中越しに聞こえた声が、抗議だったのか冷やかしの歓声だったのかは、迷子を告げるアナウンスが重なってわからなかった。
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