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竜の伝説〜飛翔〜
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交換日記レンタル - nikkijam

2017/04/25(火) 語りべ
タイトル 魔王城に向かう洞窟2 今日の気分次回更新は5月9日(火)予定です






「魔王城に続く道じゃないとしても、此処に最後のオーブが隠されている可能性はある…そうでしょ、ストームさん」
「ああ。笛の音もこの洞窟の奥…その向こうから返ってきているようだ」

 やまびこの笛を手にしながらストームは頷き、彼もまた躊躇なく歩き始め、洞窟の中へと入っていく。

「ま、どのみちオーブが無いと魔王城へ行けねえんだし、だったら入るしかないよな」

 そう言ってレオはストームの後に続き洞窟内へ進んでいく。

「もう!それはわかってるけど…」

 と、口を籠らせるスイリ。
 そんな彼女を見兼ねてリルムが彼女の背中を押した。

「わかりますよ、スイリさん。本当にあの人たちは乙女の気持ちを解ってないんですから」

 笑顔を向けてそう言うとリルムはスイリを押しながら「ほら、アルスさんも一緒に来てくださいよ」と付け足して洞窟の中へと進む。

「ありがと、リルム。やっぱりリルムが一緒で良かったよ」

 押されるままに歩いていくスイリと何やらひそひそと話す二人の姿を見やり、苦笑を洩らしてアルスもまた中へと入っていった。
 







2017/04/25(火) 語りべ
タイトル 魔王城に向かう洞窟1








「それじゃあ俺らは船番してるからな。魔王退治の方は任せたぜ」
「まだ退治しに行くわけじゃないよ」

 船べりから顔を出し、見送るコティッチとチェロハ兄弟。
 アルスたちは下船した崖からそんな二人を見つめ、力強く返事をする。

「お前たちの方こそ、しっかり船守ってろよ」
「おう、わかってるって!」

 レオの言葉にコティッチは満面の笑みを浮かべながら、拳を突き上げて見せる。
 二人はこれまでも何度も船を守り、番をしてくれていたのだ。
 アルスたちに心配や不安は微塵もなかった。

「それじゃあ、行ってくるよ」
「うん。気をつけて!」

 アルスは見送る二人へ手を振り、そして歩き出していく。
 続けて他の者たちも歩き出し、皆は魔王城のある山脈の麓へと向かった。





 ネクロゴンド火山から南下した先に、その洞窟はあった。
 そびえ立つ山脈の麓にぽっかりと口を開けたそれは、まるで勇者たちを待ち構えていたかのようで。
 その入り口から放たれている殺気にも似た冷気には、思わず怯んでしまうほどだ。

「間違いない…この洞窟から魔王城に近付く事が出来る…」
「けれど魔王城に行けるわけじゃないんでしょ?だったらこんなところに入っても…」

 スイリは暗黒が続く洞窟の奥を見つめながらそう言う。
 中からは足が竦んでしまうほどの悍ましい気配も感じられるのだ、入る事に躊躇ってしまうのも無理はない。
 が、迷わずアルスは一歩、洞窟の中へと足を進めようとする。





2017/04/18(火) 語りべ
タイトル 魔王城に向かって2 今日の気分次回更新は25日(火)予定です





「迷う度に支えてくれたのが仲間たちで…彼らのお陰で気付いたんだよ。『勇者として』ってことにこだわる必要なんかないって」

 アルスは笑顔を向け、答える。

「僕は僕として判断して行動しようって決めたんだ」


 それで周囲の者達がどう思うとも関係ない。
 自分の心で思った通りのことをしようと。
 もしそれが間違っていたとしても、仲間が全力で否定して説得してくれるから。
 自分が思うように行動しよう。
 それが今のアルスの決意なのだ。

「…やっぱり羨ましいよ、今のアルスはキラキラしていて、勇者に見えるもん」
「そう言ってもらえると嬉しいかな。ありがとう、スバル」
「気をつけて…そして、魔王を倒してきて」

 差し出された掌。
 アルスはその手を握り締め、彼女と握手を交わした。

「スバル―!早く行こうよー」

 そう甲板で叫ぶのはホワイトだ。
 スバルは彼の声を聞くなり、「わかった」とアルスの手を徐に解く。
 彼女たちはまだ回復出来ていないギンガのこともあるためダーマへと移動呪文で帰ることになっている。
 つまりは此処で一旦お別れということだ。

「お前たちには感謝している。もし何かあればそのときは呼んでくれ。全力でサポートする」
「まあこの天才的な僕がいれば百人力だからね〜」

 そう言って微笑を浮かべるノスタルとホワイト。
 と、二人に支えられていたギンガが突如持っていたそれをストームへ向けて投げた。

「ストーム―――魔王討伐が終わったらダーマに戻って来てくれ。また一緒に夜を明かすまで語りあかそう」

 ギンガから受け取ったもの―――祈りの指環を見つめた後、ストームは笑みを浮かべ頷いた。

「ああ。美味い酒でも飲みながらな」

 スバルたちは一か所に集まり、そして最後にスバルが告げる。

「本当にありがとうアルス、みんな。またね」
「うん、スバルたちも気をつけて」

 直後、スバルは移動呪文『ルーラ』を唱えた。
 彼女たちは光に包まれると一瞬にして空の彼方へ飛んでいった。
 消えて行った上空を見上げ、アルスたちは去って行く彼女たちを見送った。
 彼女たちもまた素晴らしい仲間だったと思いながら。
 
 




2017/04/18(火) 語りべ
タイトル 魔王城に向かって1





 アルスたちはこの後、食事を済ませると明日に備えるため早めの就寝を取る事にした。
 そして次の日。
 日が昇るよりも早く、アルスたちは支度を済ませていた。

「ちゃんと道具は整理したか?」
「もう、出来てるに決まってるじゃない」

 レオとスイリが荷物を整理しているその傍らにはリルムの姿。

「実はこういう日のために色々と集めていた道具があるんです。ぜひ使ってください!」

 と、声高く意気込んでいる彼女の横顔は何処か楽しそうに見える。
 するとそこへため息交じりにストームが姿を見せ、あれこれと指摘している。

「これが戦闘中必要になるとは思えないがな。これに至っては不必要な物だろ」
「で、でもかなりお値打ちの品なんですー…」
「お前な…逐一持ってく装備品にまでケチつけんなよな」
「まあまあ、ストームだってただ言ってるだけじゃないんだから」

 そう言って賑やかに話し合う一同。
 かつてないほどの和気あいあいとした雰囲気を感じ、アルスは一人遠くから笑みを浮かべ静観していた。
 と、そんなアルスの隣に並ぶ人影。

「とても良いパーティだね」

 スバルはそう言うとアルスに向けて微笑みを浮かべる。
 アルスは返すように笑みを零しながら頷いた。

「今まで何処か一つにまとまりきれてなかったパーティがようやく今一つにまとまったと思うんだ。だから僕はそれが凄く嬉しい」

 心の底から込み上げてきた本音。
 そこには今までにあった隠していた悩み、迷いも蟠りもないない。
 一つの目的に一緒に向かう本当の仲間が揃ったんだと、アルスは思った。

「私はアルスが羨ましいよ。私と違って勇者の血筋があって仲間にも恵まれていて此処まで来られた…だからこそアルスは真の勇者なんだなって思うから」

 そう言って笑うスバル。
 しかしアルスはそんな彼女の言葉を否定するようにかぶりを振って見せた。

「僕は今まで一度も自分を勇者だって思えたことがないよ。むしろ本当に勇者なのか、勇者であるのか迷ってばかりだったよ」

 だが迷う度、立ち止まる度に彼の背を押し激励していたのは周りの者たちだった。
 時に叱責され、突き放す言葉も言われた。
 しかしそれがアルスの迷いに射し込む光となって、そうして選んだ道の上に今の自分がある。



2017/04/11(火) 語りべ
タイトル 魔王城へ向かう前に12 今日の気分次回更新は18日(火)予定です





「そうだな…君たちなら他のムクロたちも倒せるかもしれないな」

 それ以上に彼らは――この少年は奇跡のような、何かを起こしてくれるかもしれないと。
 そういう期待を抱いてしまう。
 これが勇者というものの能力なのか、それとも彼自身の持つ本質なのか。
 ギンガは穏やかに笑みを浮かべた。

「それに…僕は彼らムクロが魔物の力を分け与えられたからといって――人間じゃなくなったわけじゃないですから」

 だから彼らは求める、迷う、悲しむ、憎しむ、悲しむ。
 だからこそ、彼らを助けることも出来ると、アルスの目に迷いはなかった。
 目を見開き、何か言いたそうに口を開くギンガだったが、彼よりも早くストームが答える。
 
「警告しても無駄だ。何を言ったところでもう彼は自分を曲げることを止めたからな」
「それに目の前に一人、救えた相手もいるしな」

 続けてレオが口を開き、口角を吊り上げて見せる。
 自信たっぷり、というよりは呆れきっているという方がピッタリの表情で、思わずギンガは苦笑を見せながらかぶりを振った。

「ううん、彼の決意はもう見せつけて貰っているし、とやかく助言する資格もないよ。ただ…」

 と、ギンガはアルスを見つめ、深々と頭を下げた。

「今だからこそ思う。救ってくれてありがとう……それと、こんな事を言う立場でもないと思うけど…残りのムクロたちも救ってやってくれ」

 アルスは彼の言葉に力強く頷き、答えた。

「はい!」


2017/04/11(火) 語りべ
タイトル 魔王城へ向かう前に11




 言葉の意図が読めず顔を顰めるギンガに、彼女は更に一言、苦笑交じりに付け足す。

「今の顔は妹の身を案じる兄のそれ、そのものだからな」

 ノスタルの言葉を聞き、直後ギンガの顔は急速に耳まで紅く染まっていく。
 大きく咳払いをし、顔を背けてしまうその照れ隠しの態度には皆が揃って笑みを漏らした。

「って、ちょっと〜。そういうこと言うのは僕の役目なんだけどー」
「そういう役目ってどういう役だよ」
「おちょくる役に決まってるでしょー」

 レオの言葉にホワイトはいつものようにひょうひょうとした様子で答える。
 すると「お前はもっと分かり易い心を持て」とノスタルの厳しい一声が飛び、皆はまた笑みを零す。
 気が付けば先ほどまで震えていたギンガの身体は静かに止まっていた。

「確かにムクロの力は恐ろしいです。僕一人では立ち向かえそうにない」

 と、ギンガの前に立ちアルスは言う。

「けどこんなにも頼もしい仲間たちが付いている。だから大丈夫ですよ」

 何の確証も根拠もあるわけではない。
 先のムクロであったアイとの戦いも、以前のタングとの戦いも決して圧勝とは言えない。
 勝ったとさえ言いきれる戦い方ではなかった。
 考えれば考えるほど不安な要素しかない。
 ―――しかし。



2017/04/11(火) 語りべ
タイトル 魔王城へ向かう前に10






「本当は一緒に行って魔王討伐をしたいけど、兄さんの体調があまりよくないみたいなの。だから一旦ダーマ神殿に戻って休養を取ろうかと思うんだ」

 魔王の力を宿してムクロの状態は、言うならば強力な呪いを受けていたものと言っても過言ではない。
 人間の身体に戻った今の彼はどうやらそのときの反動によって随分と弱まっているようだ。
 事実、今もこうしてスバルの肩を借りなくてはまともに歩けないらしい。
 スバルの隣でギンガは深く頭を下げて「何から何まで迷惑を掛けてすまない」と告げた。

「良いんだよ。スバルたちにはスバルたちの目的があって旅をしていたんだし、それが果たせた今はそれを大事にしてほしいから」

 アルスの言葉に賛同するべく大きく頷いてみせると、二人の傍に駆け寄ってきたスイリが続けて言う。

「そうそう。勇者とかそういう使命は後回しにして、今は兄妹水入らずで過ごした方が良いよ」
「ありがとう…そうさせて貰うよ」

 そう言ってもう一度頭を下げるギンガだが、何処か沈んだ様子に見えるのは体調が優れないから。というわけではないようだった。
 察したストームが、口を開く。

「…残りのムクロについても心配する必要はない。お前たちには絶対に手を出させはしない」

 直後ギンガは目を細め、ストームを見つめた。
 今のギンガが最も恐れているのはムクロたちによる報復だった。
 闇に堕ちると誓ったのに関わらず救われてしまった自分を彼らが許すとは思えない。
 自然とギンガの体は震えていく。

「残りのムクロは二人…だが二人とも生易しい相手ではない。実力は私以上だった」

 だからこそ彼は人知れず怯えている。
 その二人がもしも自分へと矛先を向け、その怒りを妹や仲間たちにも向けたならばと。
 そう考えるのが恐ろしかった。
 と、そのときだ。

「正直ムクロから解放されたとはいえ、人の心も取り戻されているのか不安であったが…貴殿の顔を見て杞憂であったと安心した」

 そう口にしたのは意外にもノスタルだった。




2017/04/03(月) 語りべ
タイトル 魔王城へ向かう前に9 今日の気分次回更新は11日(火)予定です





 笛の音が今一度奏でられる。
 温かみのような、哀愁のようなものを感じる素朴な音色。
 アルスたちはそれ以外に何か聞こえてこないか。
 耳を澄ました。
 だが、しかし。

「何にも聞こえないぞ?」
「気のせいだったんじゃなーい?」

 ノスタルと次いでホワイトがかぶりを振りながら告げる。
 確かに、アルスも何かが聞こえてはいなかった。

「―――いや、気のせいではないよ」

 そう言ったのはギンガであった。

「ムクロではなくなったとはいえ盗賊の職についている今の私と…真似ていたとはいえ盗賊の職にあったストームにはわかるんだよ。微かな音色の返し…山彦が」

 どこからともなく聞こえてくる―――返ってくるやまびこの音色。
 その聞こえてきた方向の先に、アルスたちの求める宝が、オーブがある。
 それこそが『やまびこの笛』の力。ということだった。

「やまびこの音は此処より南西の辺りから聞こえてきたみたいだよ…」

 ギンガはその方角を見つめながら告げる。
 そして彼は更に顔を顰めさせて付け足す。

「だが…魔王城が存在する山脈も同じくその先にあるんだ」

 彼の言葉を聞いた直後、皆に緊張が走る。

「要はどの道そこに行ってみるしかないってことだな」

 そう言うとレオは気合を入れるように自身の拳を合わせた。
 続くようにスイリやアルスたちも声を上げていく。

「やまびこの笛が導いてくれたならそこに残りのオーブがあるはず。だったら行くしかないよね!」
「うん。明日、僕たちは魔王城へと向かう。それでいいよね」

 頷き、答えるリルムとストーム。

「できる限り皆さんのお役に立ってみせます!」
「魔王がオーブを所持しているなんて落ちだけは御免だがな」
「もう、レオみたいな皮肉言わないでよ、ストームってば!」

 と、スイリの台詞を聞いたレオは「まだ皮肉ってはなかっただろ」と顔を顰めさせながら突っ込む。

「そういやお前たちはどうするんだ?」

 そう言うとコティッチはスバルたち一行の方を見やる。
 四人は同時に顔を合わせ、それから代表してスバルが最初に口を開いた。





2017/03/28(火) 語りべ
タイトル 魔王城へ向かう前に8 今日の気分次回更新は4月4日(火)予定です






 アルスたちは甲板に移動する。
 それからアルスはそのやまびこの笛を手に構えた。
 秘宝へと導く笛。
 やまびこの笛の力ならば最後のオーブのありかを教えてくれるはず。
 アルスは期待を込めて、笛を吹いた。



 特に指先を動かしているわけでもないのに、不思議なことに笛は自然とメロディーを奏でていく。
 その音色は遠く、山の彼方へと消えた。

「何か起こったのか?」

 レオが辺りを見回しながら呟く。
 しかし、何かが起こったという気配はなく、スイリたちが持っていたオーブにも何一つ変化はない。

「駄目だったってこと?」
「それかやまびこの笛の方に問題ありとか…じゃなよな?」

 チェロハとコティッチはそう言うとやまびこの笛に視線を向ける。
 思わず吹いたアルスが責任を感じてしまい「ごめん」と返してしまう。
 と、リルムは二人の言葉を否定するようにかぶりを振った。

「そんなことないです。わたしが見た限りこのアイテムには確かに不思議な力が込められているみたいです。」

 アルスが手にするやまびこの笛を見つめながら彼女はそう断言する。
 商人としては最早一人前であるリルムだ。
 彼女が断言するなら問題はないはず。
 すると直後、ストームがアルスへ言った。

「すまないがもう一度吹いてみてくれないか?」
「え?」
「何か聞こえたような気がするんだ」

 何かが聞こえた。
 しかし彼の言葉と裏腹に他の者達は首をかしげる。
 それはアルスも同じであり、笛を吹いたからといって特別何かが聞こえたようなことはなかった。
 風の音と鳥の鳴き声。
 それ以外は何も聞こえてはいなかった。
 とはいえ、ストームが嘘偽りを言うとも思えない。
 アルスは彼を信じてもう一度笛を吹いた。






2017/03/14(火) 語りべ
タイトル 魔王城へ向かう前に7 今日の気分次回更新は28日(火)予定です






「やっぱりランシール神殿の大司祭にもう一度聞きに行くしかないかな?」
「前もお告げって言ってオーブの場所導いたわけだしな」

 スイリとレオがそれぞれそう言い合い顔を顰めていると、おもむろにホワイトが口を開いた。

「そーいやさ〜、聞いた事あるんだよねー。欲しいものを思いながら吹くとその居場所へ導くっていう笛の噂…」

 突然出てきた謎のアイテム。
 皆が一層と困惑めいた顔でホワイトへと視線を向ける中、思い出したようにストームが「そうか」と声を上げた。

「そう言えばこれがあったな」

 彼はそう言うと自身の懐から何かを取り出してみせる。
 それは一見普通のよくありそうな笛―――オカリナに見える。

「これが『やまびこの笛』だ」

 そう。ストームが持っていたこれこそが、ホワイトの言っていた『やまびこの笛』だった。
 




 ストームの出した『やまびこの笛』。
 それにアルスたちは視線を向ける。

「これがやまびこの笛?」
「つーかこれ何処で見つけたんだ?噂に聞く中々のお宝じゃんかよ!」

 アルスが尋ねると同時にコティッチが身を乗り出しストームへと尋ねる。
 どうやらコティッチもやまびこの笛について知っているようだった。

「アープの塔…そこで見つけた」

 ストームの話しによると、ギンガを元に戻す方法―――アイテムを探して各地を回っている最中で手に入れたものらしい。
 と、リルムが「そう言えば」と思い出した顔をする。

「ストームさんと再会した場所ってアープの塔でしたよね」
「ああ、そのときに見つけて戻ったときにお前たちと出くわした」

 それから彼はギンガとして、アルスたちと旅を共にすることとなった。
 その一方でリルムはこの後、辺境の土地を開拓するべく東方の地に残ることになる。
 思い出深いきっかけの場所でもあった。
 そんなあの頃の記憶を思い返しながら、アルスは改めてストームに尋ねた。

「それで…このやまびこの笛があれば残りのオーブの場所がわかるんですか?」
「多分、な」

 半信半疑といった様子で、ストームはそう答えた。