少女語り手

そしてアドレーヌは眠る。
『第五幕 眠る女神は』〜そして未来に〜

03/19(火)23:28
語り手
タイトル:第五幕〜眠る女神は446〜
気分:次回更新は26日(火)予定です



「だけど、イイヌも国王騎士も軍さえもこの土地を決して訪れようとはしない。来ようとも思わないからこそ…この組織にとっては格好の隠れ場所であり、俺たちを匿うに適した場所だってことだね」

 タルクスはそう言うと皿ごと掴み、勢いよく残りのスープを啜った。
 アサもまた続けてスープを飲み干し、パンを食べきるとようやくと回り始めた脳を動かしながら口を開く。

「組織か…こんな場所で隠れ住んでいるってことはまともな組織じゃないってことだろ。タルクスは何か知ってるのか?」

 タルクスは静かに頷く。

「詳細なところまでは知らないし此処に来たのは初めてだけど。この組織――トオゼキについては前々から彼に聞いていたよ」
「トオゼキ…前にミレットがそんな組織があるって教えてくれたな」

 古くから何処かに存在し、この国の隠された歴史についてを研究し続け、その秘密に触れ過ぎたが故に反乱組織として追われてしまったという。お伽噺にも近い組織。
 今も尚、国内に潜伏し活動し続けているとも、アマゾナイト軍内部に協力者がいて養って貰っているとも噂されてはいたが、信憑性に欠けるとして捜査等はこれまで一切行われなかったという。
 
「そんなおとぎ話の組織があの人の隠れ蓑だったなんて…始めて聞かされたときは驚いたよ」

 そう言って彼は肩を竦めて笑って見せる。
 相変わらず空気を読む彼の笑顔にアサもまた釣られて笑みを浮かべた。





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