少女語り手

そしてアドレーヌは眠る。
『第五幕 眠る女神は』〜そして未来に〜

10/16(火)15:45
語り手
タイトル:第五幕〜眠る女神は349〜
気分:次回更新は23日(火)予定です


 タルクスでもなく、彼女――ミレットでもない。アドレーヌの心からの言葉。
 アドレーヌは無意識に胸元を押さえる。
 締め付けられるような苦しみ。ズキズキと痛むような錯覚を押し込めながら、彼女は強くかぶりを振った。

「私には…そんな資格がないの…!」

 そう言って彼女は逃げるように部屋を飛び出てしまう。
 扉さえ閉めることなく出て行ってしまった彼女を当然タルクスは追いかけることが出来ず。
 誰もいなくなった部屋をただただ見つめる。

「あらら…まさか彼女までひねくれちゃってるとは…やっぱり女心ってのは中々読めないものだなあ」

 タルクスは独りそうぼやき、本も投げ出したまま、ベッドへと寝転がる。
 それから開きっぱなしの扉から、視線を自然と窓の外へと移し、ため息交じりに空を眺めた。
 いつも見ていた白い空とは違い、此処から見上げる空は何処か黄土色の混じった灰色で。
 太陽さえ見えない空を眺めながら、彼はまた独り言を呟いた。

「だけど…君は絶対アサくんを救ってくれる。そんな直感がするんだよね」







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