語り手

シキサイ奏デテ物語ル
黄昏の魔女と深緑の魔槍士

11/13(火)13:56
語り手
タイトル:黄昏の魔女と深緑の魔槍士~64
気分:次回更新は27日(火)予定です


 そう返されるのは当然の流れで。
 アスレイはようやく呼吸が落ち着いたところで、昨日の一連の流れについてを彼女に説明しようとした。
 と、その時。

「―――まさか君がキャンスケットに行くつもりだったとはな…」

 直後、アスレイの動きが止まる。
 動きだけではない。あれだけ乱れていた呼吸や心音さえもその瞬間、間違いなく停止したとアスレイは感じた。
 それほどまでに彼が驚いたのは、またしても聞き覚えのある声が聞こえてきたからだった。
 しかもその声は昨夜聞いたばかりの声であり、今もアスレイの記憶に鮮明に残っている声。
 無我夢中で乗り込んだため周囲に気付かなかった彼は、ようやく斜め向かいの席へと視線を移した。
 まさかと思っていたが、そこには予想通り、あの二人の姿があった。

「わ、わ、わーぁッ!!」

 条件反射のように出された叫び声。
 その声は車中に響き渡り、外にいる御者にまで届いたほどだ。

「ちょっ、ちょっと、どうしたってのよ?」

 突然の大声に困惑した顔でアスレイを見るレンナ。
 一方でネールは額に手を当てため息を漏らし、隣のケビンは引きつったような笑みを浮かべていたのだった。

「また君は…そこまで驚かなくとも」
「はは…」









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